[ロンドン 5日 ロイター] – 英国のスナク財務相とジャビド保健相が5日、辞任した。相次ぐ不祥事の対応に追われているジョンソン首相に大きな打撃となる。

スナク財務相は「世界が新型コロナのパンデミック(世界的大流行)やウクライナの戦争、他の深刻な課題の経済的影響に苦闘する中での辞任は、軽率な決断ではない」と強調。自身にとって、閣僚として務めることは最後になる可能性があるとしつつも、「政府が適切かつ有能、そして真剣に運営されることを国民は期待している。こうした基準のために戦う価値があると確信しており、それが辞任の理由だ」と述べた。

ジャビド保健相も「もはや良心の呵責に耐えられない」とし、辞任を表明。ジャビド氏はジョンソン首相に宛てた書簡で、多くの議員や国民の間で、ジョンソ氏の国益に適う統治能力に対する信頼が失われたとし、「残念なことに、あなたのリーダーシップの下ではこの状況は変わらないことは明らかだ。あなたは私の信頼も失った」と述べた。

主要閣僚の中で辞任するのは現時点で2人のみで、他の閣僚らはジョンソン氏を支持している。ジョンソン氏が退陣した場合の後任候補として有力視されているトラス外相は「100%首相を支持する」と述べた。

スナク財務相の辞任を受けポンドが下落したが、エコノミストらはジョンソン氏の退陣は必要な安定をもたらし、ポンドを後押しする可能性があるとみている。