イーロン・マスク氏によるツイッター買収計画は、同社サービスについてスパムなどの「ボット」の数字が正確に報告されていないとの同氏の疑念を巡り白紙に戻る可能性があると報じられた。一方、同社幹部は、ボットの水準は低いとあらためて主張し、算出方法についてより良い説明を試みている。
ツイッターはボットがユーザー全体の5%未満との主張を繰り返している。しかし、マスク氏はこの数字が実際にははるかに高いと指摘し、ツイッターが主張する数字について確認が取れない限り440億ドル(約5兆9800億円)規模の買収合意から身を引くと警告している。
米紙ワシントン・ポスト(WP)が7日、複数の関係者の話として伝えたところでは、マスク氏のチームはスパムのアカウントに関するツイッター側の数値を検証不能と判断し、ツイッター買収資金調達に向けた協議への「関与を中断した」。この問題で買収計画は「深刻な危機」にあるという。
マスク氏のツイッター買収が深刻な危機、資金交渉も中断か-報道 (1)
報道を受けてツイッターの広報担当者はブルームバーグに送った資料で、「当社は合併合意の条件に沿って取引を完了するためマスク氏と協力的に情報共有を続けており、今後もそうする」とし、「今回の合意はあらゆる株主の最善の利益にかなうと確信している。取引を完了し、合意した価格と条件で合併合意を実行する意向だ」とコメントした。
WP報道を受け、ツイッターの株価は時間外取引で一時約4%下落した。
ツイッター幹部はこの日、報道に先立ちメディアとの会見で、同社が各四半期の数千のアカウントを手作業で調べた上でボットの割合を判断したとし、実際の数字は当局への届け出で開示された水準を大きく下回ると見ていると説明した。またボットの水準を確認するためIPアドレスや電話番号など内部データも活用していると語った。
原題:Musk Dispute With Twitter Over Bots Continues to Dog Deal(抜粋)