[11日 ロイター] – 米電気自動車(EV)大手テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は計画していた総額440億ドルのツイッター買収撤回によって、以前よりも財務基盤が強化される可能性が指摘されている。ツイッター買収に向けたテスラ株売却による約85億ドルの資金が手元に残っているためだ。
マスク氏は8日、複数の合意条項に重大な違反があったとし、ツイッター買収案を撤回。ツイッターは契約履行を求めており、長引く法廷闘争にもつれ込めば、マスク氏は数十億ドルのコストを負担する可能性もある。
ガイドハウス・インサイトのアナリスト、サム・アブエルサミド氏は「比較的高値でテスラ株を多く売却したため、ほぼ確実に1年前よりもキャッシュポジションは良い状況にある」と指摘。同時に「訴訟の最終的な結果次第では、より悪い状況に陥る可能性もある」と述べた。
仮にマスク氏が敗訴し、ツイッター買収を完了させる、もしくは多額の違約金支払いを要求されれば、さらなるテスラ株売却を強いられる可能性があり、そうなれば投資家を動揺させ、マスク氏が保有する残りのテスラ株の価値に打撃を与えるおそれがあるという見方を示した。