[ジッダ(サウジアラビア) 15日 ロイター] – 中東歴訪中のバイデン米大統領は15日、サウジアラビア西部ジッダにある宮殿で同国のムハンマド皇太子と会談し、2018年の米紙ワシントン・ポストのサウジ人記者ジャマル・カショギ氏殺害に関する責任は皇太子にあると述べた。

ただ、皇太子はカショギ氏殺害への関与を否定し、関係者に責任を負わせたと述べたという。

バイデン氏が皇太子と会談するのは大統領就任後初めて。米側が関係修復を模索し、バイデン氏の身振りや言葉遣いが注目される中、サウジ国営テレビでは両氏がグータッチを交わす様子が映された。バイデン氏はサルマン国王とも握手した。

バイデン氏は記者団に対し「会談の冒頭でカショギ氏殺害を取り上げ、当時、私がどう考えていたのか、そして今どう考えているのかを明らかにした」と言明。「私は率直かつ単刀直入に議論した。私の考えを明確にした」と語った。

その上で「皇太子は基本的に自身に個人的な責任はないと述べたが、私は皇太子に責任があると思うと指摘した」と明かした。

また、エネルギーに関しても協議し、サウジから今後数週間以内にエネルギーに関する「一段の措置」が取られることを期待するとした。

バイデン氏は大統領選挙期間中、カショギ氏殺害を理由にサウジを国際舞台の「のけ者」にすべきと発言していたが、バイデン氏はこの日、同発言について後悔していないと語った。

バイデン氏とムハンマド皇太子などサウジ高官との会談後に発表された声明では、サウジとエジプトの間に位置するチラン島からのエジプト・イスラエル平和条約の一環で駐留している平和維持軍の撤退やモバイル技術、サイバーセキュリティーに関する協力などが発表された。