[上海/北京 18日 ロイター] – 中国銀行保険監督管理委員会(銀保監会)は18日、適格な不動産プロジェクトに融資し、妥当な場合はデベロッパーの資金需要に対応するよう銀行に促した。

中国ではマンションが完成しないことに抗議してローン返済停止をちらつかせる住宅購入者が増加し、住宅融資の不良債権化が懸念されている。

中国銀行保険報のインタビューで、銀保監会は住宅の引き渡しを促すため地方政府を支援すると改めて述べ、協調して努力すれば「全ての困難や問題は適切に解決される」と自信を示した。

具体的には、停滞している不動産プロジェクトの速やかな再開や買い手への早期引き渡しが可能になるよう、銀行は「社会的責任」を果たし、資金不足を埋める計画の検討に積極的に参加すべきとした。

また不動産市場の安定化を図るため、住宅ローン顧客とのコミュニケーションを強化し、不動産プロジェクトの取得を支援するよう銀行に促した。

銀保監会はさらに、東北部の遼寧省でこのところ金融リスクが高まっていると指摘。ただ、リスクは制御されているとし、政府は小規模金融機関のリスクを防ぐため対策を講じると述べた。

中国国営中央テレビ(CCTV)が18日に報じたところによると、6月の新規不動産融資は1500億元(222億3000万ドル)超になる見通し。5月は減少していた。

マイノリティー・アセット・マネジメントの共同創設者でゼネラルマネジャーのマーク・ドン氏は「中国政府は問題を解決する意志と手段を持っており迅速な行動を取るだろう」と述べ、「最大のリスクは不動産販売の回復の芽を脅かす消費者信頼感の悪化だ」と指摘した。

ドン氏は、国有デベロッパーが介入して多額の債務を抱える民間の同業他社から問題のあるプロジェクトを取得し、業界の再編が加速するとみている。