[ロンドン 21日 ロイター] – ロシアのプーチン大統領は21日、サウジアラビアのムハンマド皇太子と電話会談し、石油輸出国機構(OPEC)およびロシアなどの非加盟国で構成する「OPECプラス」の枠組みにおける協力強化の重要性を巡り討議したと、ロシア政府が発表した。
ロシア政府は、会談では「世界の石油市場の現状を精査し、OPECプラスの枠組みにおいて協力を深めることが重要であると明確にした」とし、「OPECプラス参加国が世界のエネルギー市場に必要な均衡と安定を維持するために一貫してその義務を果たしている」ことも確認されたとした。
また、プーチン大統領とムハンマド皇太子は貿易や経済関係の拡大について協議したほか、シリア情勢についても意見交換を行ったという。
バイデン米大統領も先週サウジを訪問し、ムハンマド皇太子と会談しており、ロシアのウクライナ侵攻によって世界のエネルギー市場が混乱する中、サウジが米・ロシア両国にとって重要な位置付けにあることが浮き彫りとなった。
OPECプラスは6月の会合で追加増産を決定。関係筋によると、米国の要求を受けて増産の根回しを進めていたサウジがロシアの同意を確保するため積極的な働きかけをしていたというサウジによる「陰の外交努力」があったという。