[ロンドン 26日 ロイター] – ロシア国防省は、極東地区(東部軍管区)で8月30日から9月5日にかけて戦略軍事演習「ボストーク」を実施すると発表した。演習が実施される地域にはシベリアの一部のほか、中国との国境に近いハバロフスクなどが含まれる。

国防省は一部の外国部隊も参加するとしたが、具体的な国名は明らかにしていない。ベラルーシで昨年実施された演習にはアルメニア、インド、カザフスタン、キルギスタン、モンゴルの軍隊が参加した。

国防省は声明で、ロシアはウクライナで「特別軍事作戦」を展開しているものの、こうした軍事演習を実施する能力は損なわれていないと強調。「ウクライナにおける特別軍事作戦に投入されているのはロシア連邦軍の一部にすぎない」とし、演習には必要な要員や機材が全て動員されるとした。

米中央情報局(CIA)のバーンズ長官は先週、2月のウクライナ侵攻開始以降、ロシア軍の死者は1万5000人と、旧ソ連によるアフガニスタン侵攻による死者数とすでに同水準に達しているとする米政府の推計を発表している。

英王立国際問題研究所(チャタムハウス)の軍事専門家マシュー・ブーレグ氏は「ウクライナには東部軍管区からもすでに多くの兵士が動員されており、機材なども投入されている」とし、今回のボストークでロシアが何を実施できるか注意深く見守っていると述べた。

18年に実施されたボストークには中国軍を含む約30万人が参加。今回も中国が参加するか、参加する場合はどの程度の規模になるのか、中ロ関係を推し測る上で重要な手がかりになるとみられている。