[ワシントン 26日 ロイター] – 米国務省のパク副次官補(東アジア・太平洋担当)は26日、中国が南シナ海で「挑発行為」を増加させていると非難した。

パク氏は米戦略国際問題研究所(CSIS)が開催したイベントで「南シナ海の領有権を主張する国や、この地域で合法的に活動している他の国に対する中国による挑発行為が明らかに増加傾向にある」と指摘。中国軍機が南シナ海上空の国際空域でオーストラリア軍機を危険な方法で妨害する事象が増えているほか、フィリピンの排他的経済水域内で海洋調査やエネルギー探査の活動が妨害される事象がここ数カ月の間に3件あったと述べた。

中国が南シナ海のほぼ全域の領有権を主張していることについて、国際法に反するとの考えを表明。こうした主張を実行に移すための中国の「挑発的な行為」は地域の不安定化につながり、領有を主張する他の国が経済的な損害を受けるほか、既存の海洋秩序が損なわれるとの見解を示した。

その上で、米中関係は「かなり複雑」としながらも、米国は中国が東南アジアやその他の途上国で実施していること全てに反対しようとしているわけではないとし、「各国が中国との関係を保ちながら、自治と主権的な意思決定を守るための手段と能力を備えることを米国は望んでいる」と述べた。

バイデン米大統領は週内に中国の習近平国家主席と電話会談を行う見通し。