[東京 26日 ロイター] – 政府は26日、7月の月例経済報告で、景気の現状を「緩やかに持ち直している」とし、これまでの「持ち直しの動きがみられる」から3カ月ぶりに判断を引き上げた。外出の増加を背景とした個人消費の回復や、堅調な雇用情勢などを踏まえた。
先行きについては、海外の中央銀行による金融引き締めが進む中で、金融資本市場の変動や原材料価格の上昇、供給制約などによる下振れリスクに注意が必要とした。
国内総生産(GDP)の過半を占める個人消費については「緩やかに持ち直している」とし、3カ月ぶりに判断を上方修正した。外食や旅行などのサービス消費の改善が続いていることや、人出の増加にともない高額品や衣類などが好調なことを反映した。ただ、新車や家電などは供給制約の影響を受けているため、消費の持ち直しは「緩やか」とした。
一方、食料や光熱費などの生活必需品の物価上昇により、他分野への支出はコロナ前を下回っており、低所得世帯を中心に節約志向の動きがみられる点には留意が必要だとした。
他の項目については、雇用情勢を「持ち直している」とし、2カ月ぶりに判断を引き上げた。女性の正規雇用の増加が全体をけん引し、就業率がコロナ前を上回った。また、日銀短観6月調査で、企業による雇用の過不足感が宿泊・飲食サービス中心に幅広い業種で不足超となっていることも踏まえた。
輸入については「持ち直しの動きがみられる」とし、2カ月連続で上方修正した。国内需要の底堅さや、衣類や電算機類などのアジアからの輸入が堅調なことを反映した。一方、輸出は、「おおむね横ばい」とし、先月から判断を据え置いた。
生産は「持ち直しの動きに足踏みがみられる」、設備投資は「持ち直しの動きがみられる」でともに判断を据え置いた。