[東京 26日 ロイター] – 政府は、5G促進法に基づき、キオクシア(旧東芝メモリ)と、キオクシアと米半導体大手ウエスタンデジタル(WD) の合弁会社から共同で申請があった先端半導体の生産設備整備計画を認定した。最大で約929億円の助成金を交付する。

萩生田光一経産相が26日の閣議後会見で「日本におけるメモリー先端半導体の安定的な生産に資するものと判断した」と説明。足元の半導体供給網(サプライチェーン)強靭化や半導体産業の発展が期待できるとし「半導体に関する日米連携の強化にも資する」との見方を示した。

5G促進法に基づく支援はTSMCに続いて2例目。

経産省によると、キオクシアが所有する三重県四日市市の工場で、3次元フラッシュメモリ(第6世代製品)をはじめとする技術革新を伴う次世代製品の開発・生産を行う。2024年3月の操業開始を目指す。3次元フラッシュメモリ(第6世代製品)の生産能力は既存設備と合わせて12インチ換算で月10.5万枚。四日市工場で量産体制が確立できた後は、同社の岩手工場でも展開し、生産を分散化する。

萩生田経産相は26日から米国主導の経済圏構想「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」の閣僚級会合に出席、29日に米国・ワシントンD.C.で日米経済政策協議委員会(経済版2+2)に参加する。IPEFについて、萩生田経産相は「ルールと協力の両輪でバランスの取れたパッケージを目指す重要性を強調したい」と述べた。2+2では経済安保をめぐる諸課題で率直に意見交換を行うとした。  

IPEFは、バイデン米大統領が5月の来日時に発足を表明。環境や労働などの分野でアジア全体の基準を設定することを目指す。26日の初会合には日米のほか、オーストラリアやインド、ニュージーランドなど参加表明した全14カ国が出席する。今回の会議では、貿易やサプライチェーン(供給網)、クリーンエネルギー、インフラ、税・汚職対策などが議題となる。

(佐古田麻優 編集:石田仁志)