[ワシントン 28日 ロイター] – バイデン米大統領と中国の習近平国家主席は28日、電話会談を行った。米中首脳による協議は今回が5回目。ペロシ米下院議長が予定する台湾訪問によって緊張が高まる中での会談となった。

政府筋によると、会談で両氏は台湾問題を巡って「直接かつ正直に」協議。対面での会談の可能性についても議論した。

ホワイトハウスによると、会談は米東部時間午前8時半(日本時間28日午後9時半)から2時間17分行われた。

中国国営メディアは、習主席が台湾を巡り、米国は「一つの中国」の原則を堅持し、言動を一致すべきとバイデン大統領に求めたと報じた。

報道によると、習氏は中国が台湾の独立と外部の干渉に断固反対するとし、「火遊びをすればやけどするだけだ」とけん制。「米国側がこの点を明確に理解することを願う」と述べた。

ホワイトハウスによると、バイデン大統領は習氏に対し、台湾に関する米国の政策に変更はなく、現状の変更もしくは台湾海峡の平和と安定を損なうような一方的な動きに強く反対すると伝えた。

この日の会談では、両首脳は「二国間関係にとり重要な一連の課題に加え、地域・世界的な問題について協議し、とりわけ気候変動や健康安全保障に対応するため、この日の対話のフォローアップを続けるようそれぞれのチームに指示した」という。

ホワイトハウスが公表した会談の記録には、米国による対中関税引き下げに関する言及は記されていない。前出の政府筋によると、関税引き下げは話題に上らなかったという。

一方、ホワイトハウスのジャンピエール報道官は、バイデン大統領が中国における大量虐殺や強制労働の問題を取り上げたことを明らかにした。

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