[台北/北京 10日 ロイター] – 中国の軍艦は10日午前時点で、台湾の東岸・西岸沖で引き続き活動を続けている。事情に詳しい関係者がロイターに明らかにした。
中国は、ペロシ米下院議長の訪台への対抗措置として台湾周辺で軍事演習を開始。演習は当初、4日間の予定だったが、延長されている。
台湾のジョセフ・ウー外交部長(外相)は9日、中国がペロシ氏の訪問に抗議して開始した軍事演習について、台湾侵攻を準備する作戦の一環だと非難していた。
中国国営テレビCCTVは10日、台湾周辺での演習の模様として、中国の戦闘機が緊急発進したり、飛行中に給油を受けたりしている映像や、軍艦が展開している映像を公開した。
CCTVによると、中国人民解放軍東部戦区は「抑制・制御能力を高めるための複雑な電磁環境の下で」封鎖や補給について重点的に演習を行っているとした。
一方、台湾国防部(国防省)も10日に台湾軍が演習している動画を公表。「中間線、領海、主権の防衛」の指針に従い即応能力を高めたと説明した。
関係筋によると、10日午前の時点で中国と台湾の軍艦約20隻が引き続き、台湾海峡の中間線付近にとどまっている。
また、中国の軍艦数隻は台湾東岸沖で作戦を継続しているという。
<台湾野党幹部が訪中>
台湾の野党国民党の夏立言副主席が10日、中国に向かった。国民党は、台湾財界関係者と面会するのが目的で、すでに決まっていた予定だと説明した。
夏氏は記者団に、北京には行かず、中国政府当局者と面会する予定はないと説明した。
台湾当局は中国軍の演習が行われている最中の訪中に「遺憾」を表明。蔡英文総統は「この期に及んで国民党は中国を訪問すると主張し、台湾市民を失望させている」と述べた。