- ウクライナ東部で列車攻撃、軍事的標的だったとロシア主張
- IAEA、ザポリージャ原発攻撃で広範な調査を実施へ
ロシアのプーチン大統領は、軍の総兵力を13万7000人増員して115万人とするよう命じる大統領令に署名した。発効は来年1月1日。国営通信社RIAノーボスチが報じた。
ウクライナ東部ドニプロペトロウシク州の鉄道駅が攻撃されたことに関し、米国と欧州連合(EU)はロシアを非難。この攻撃ではミサイルが列車を直撃した。ロシアは軍事的な標的だったと主張している。
ロシアの供給削減でドイツとフランスの電力価格が過去最高を更新し、欧州の消費者や企業に対する圧力は増している。一方で欧州最大の原子力エネルギー施設であるザポリージャ原発を巡る懸念も依然強い。同原発はここ数週間、攻撃にさらされ続けている。
ウクライナ情勢を巡る最近の主な動きは以下の通り。
EU、ロシア人入域に制限検討
EUに渡航するロシア人の短期ビザ取得費用は上昇し、手続きもいっそう煩雑になりそうだ。ロシア人の渡航制限をどこまで踏み込むかを巡りEU加盟国内で大きな溝が生まれているが、妥協策が打ち出された。
輪番制のEU議長国を現在務めるチェコのリパフスキー外相は、プラハで来週開かれるEU外相会合でロシアおよびベラルーシとのビザ円滑化協定の完全停止を提案すると明らかにした。
企業は対ロシア制裁順守を、フランス運輸担当相が警告
フランスのボーヌ運輸担当相は企業に対し、対ロシア制裁に違反しないよう確実を期すことを促した。同国の石油・ガス大手トタルエナジーズがロシア空軍に間接的にジェット燃料を提供している可能性があると、ルモンド紙が24日に報じた。トタルエナジーズはロシアのウクライナ侵攻をいかなる形であれ支持していることはないと説明した。
プーチン氏、ロシア軍の13.7万人増員を命令-RIA
ロシア国籍を保有する男性は1年間の兵役が義務付けられているものの、ロシア政府は今のところ大規模な徴兵を実施せず、ウクライナ侵攻を公には「特別軍事作戦」だと説明し、戦争と呼ぶことを避けている。
ただ、ウクライナとの戦闘による死傷者増加で、より多くの兵士調達を模索する可能性があるとの観測が浮上していた。米国のカール国防次官(政策担当)は今月、6カ月足らずの間にウクライナで死傷したロシア兵の数は8万人にも達する公算が大きいと述べていた。
ロシア、「欧州へのガス供給を1年間遮断することも可能」
ロシアはEUに対する全てのガス輸出を「経済に悪影響を及ぼすことなしに1年強にわたり」停止することが可能だと、キャピタル・エコノミクスが分析した。
原油価格と輸出が現在の高水準を保つ限り、ロシアは主要ガス市場であるEU向けを遮断しても、持ちこたえられるだけの経常黒字を稼げるだろうと、キャピタル・エコノミクスのエコノミスト、リアム・ピーチ氏は指摘。ロシアのガス輸出量は減少しているものの、欧州のガス価格上昇でロシアのガス輸出収入は四半期当たり200億ドルにも上る可能性があるとの見方を示した。
シティ、ロシア消費者事業を閉鎖へ
米銀シティグループはロシアでのコンシューマーおよびコマーシャルバンキング事業を閉鎖する。シティは以前から両事業の売却を目指していたが、ロシアによるウクライナ侵攻によって実現が困難になったという。
シティ、ロシア消費者事業を閉鎖へ-ウクライナ侵攻で売却困難に
ミサイル攻撃の列車、軍事的な標的だった-ロシア
ウクライナ東部ドニプロペトロウシク州チャプリンでミサイル攻撃を受けた列車について、ロシア国防省は軍事的な標的だったと主張した。この列車は軍用列車で、ウクライナの予備兵200人余りと軍装備品10点を破壊したと、国防省の発表だとしてインタファクス通信が報じた。民間人に関する言及はない。
IAEA、ザポリージャ原発攻撃で幅広く調査へ
原発事故が発生する恐れから国際的な警戒を呼んでいるウクライナのザポリージャ原発について、国際原子力機関(IAEA)は当初見込まれたよりも幅広い権限をもって同原発への攻撃を調査する見通しだ。
ザポリージャ原発はロシアが占拠している。IAEA調査団は同所の核物質を把握している当局者に加え、原発の安全や安全保障の担当当局も含む。事情に詳しい関係者2人が明らかにした。欧州の情報当局者は、ロシアがウクライナの攻撃から兵力を守るために同原発を意図的に利用し、近隣地域から砲撃を仕掛けていると主張。ロシアは攻撃がウクライナ軍による偽旗作戦だと反論する。
IAEAは9月5日よりも前に調査団が同原発を訪れ、2週間にわたる作業を開始したい考え。
三井物、三菱商がサハリン2新会社参画を決定
三井物産と三菱商事は25日、ロシア極東の石油・天然ガス開発プロジェクト「サハリン2」の運営を引き継ぐ新会社に参画することを決定したと発表した。
三井物、三菱商がサハリン2新会社参画を決定-株式の引き受けへ (1)
米国務長官とEU大統領、ウクライナ鉄道駅への攻撃を非難
ブリンケン米国務長官はウクライナの鉄道駅へのロシア軍のミサイル攻撃について、「典型的な残虐行為」だとツイートで非難。これに先立ち、欧州連合(EU)のミシェル大統領はこの攻撃に嫌悪感を示し、「戦争犯罪が罰を受けずに済むことはない」とツイートした。
ウクライナのゼレンスキー大統領は定例演説で、チャプリン駅への攻撃で少なくとも22人が死亡したと明らかにした。
原題:Ukraine Latest: Putin Orders Army to Recruit 137,000 More Troops、
Ukraine Atomic Plant Mission’s Scope Widens to Probe Attacks (1)(抜粋)