[ジャクソンホール(米ワイオミング州) 27日 ロイター] – 欧州中央銀行(ECB)高官の間から、大幅な利上げを支持する声が相次いでいる。26日のクノット・オランダ中銀総裁の発言に続き、27日にはシュナーベル専務理事、ビルロワドガロー仏中銀総裁、カザークス・ラトビア中銀総裁が大幅な利上げの必要性をそれぞれ主張した。
欧州ではインフレが高止まりし、ECBのインフレ対応への人々の信頼が揺らぎかねない状況にある。
ECBは先月、11年ぶりの利上げを決定し、主要政策金利を0.5%ポイント引き上げた。9月8日の理事会では同様かそれ以上の幅の利上げが見込まれている。
米ワイオミング州ジャクソンホールで開催された経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)に参加したシュナーベル氏は「現在の高インフレが期待値として定着する可能性とそのコストは不快なほど高い」と説明。「このような環境では中銀は力強く行動する必要がある」と語った。
数日前まで、市場は9月8日の利上げ幅を0.5%ポイントと予想していたが、多くのECB当局者が今や0.75%ポイントの利上げを主張している。
カザークス氏はロイターに対し、「利上げの前倒しは合理的な政策選択だ」と指摘。「0.5%ポイントと0.75%ポイントの両方を可能な利上げ幅として議論することにオープンであるべきだ。現在の観点では、少なくとも0.5%ポイントであるべきだ」と語り、その後も利上げを継続すべきとの考えを示した。
エコノミストが1.5%付近と予想する中立金利について、ビルロワドガロー氏は年内に到達するとした一方、カザークス氏は来年第1・四半期に到達するとの見方を示した。
シュナーベル氏は、インフレ期待がECBの中期目標である2%を超えるリスクに直面していると警告し、人々が中銀への信頼を失い始めていることを示す調査結果に言及した。
カザークス氏は「この高いインフレ率では、リセッション(景気後退)を回避することは難しく、そのリスクはかなり大きく、テクニカルリセッションの可能性が非常に高い」と述べた。