• アップルが新モデル発表、必要な限りインフレ対応、為替介入に慎重
  • サッチャー政権時代以来のポンド安、欧州ガス不足25年まで継続か
Tim Cook, chief executive officer of Apple Inc. Photographer: Nic Coury/Bloomberg

米アップルが恒例の新商品お披露目イベントを開催。ラインナップは予想され、当日は「セル・ザ・ファクト(事実で売る)」の格言通り株価が下げることが多いイベントですが、今回は相場全体の上昇もあって0.9%高で取引を終えました。気になるのはお値段。アップルは一部の市場予想に反しiPhone(アイフォーン)スタンダードモデルの価格を据え置きました。とはいえ、安めだった「ミニ」がなくなり、数十年ぶりのインフレに直面する中で実質値上げと感じる人もいそうです。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

11万円超のスマートフォン

アップルが7日、スマートフォンの最新モデル「iPhone14」シリーズを発表。カメラ機能がアップグレードされ、非常時用の衛星通信機能が追加された。スタンダードモデルの価格は799ドル(日本では税込み11万9800円から)で、今月16日に発売予定。画面サイズ5.4インチの「ミニ」はなくなり、6.7インチのモデルが新たに加わった。アップルウオッチと「エアポッド」の新モデルも発表した。

インフレとの闘い

米連邦準備制度理事会(FRB)のブレイナード副議長は7日、インフレを押し下げるため「必要な限り対応を続ける」と言明。政策金利を景気抑制的な水準まで引き上げ、当面その水準にとどめる必要があるとの見解を示した。その上で、将来的に政策引き締めを巡るリスクが二面的な側面を強めることになるとも指摘した。クリーブランド連銀のメスター総裁も2023年の早い時期までに政策金利を4%超に引き上げ、その後しばらくその水準で据え置くことが必要になるとの考えを改めて示した。

為替介入

米財務省は円相場の急落を止めるための為替介入に慎重な姿勢を堅持した。米財務省のグウィン報道官は7日、イエレン財務長官が7月の訪日時に円相場や為替介入について議論して以降、同省のスタンスが変わったか否か質問を受け、「現時点で付け加えることはない」と答えた。円はニューヨーク時間7日に一時1ドル=145円に迫り、連日で24年ぶり安値を付けた。

サッチャー政権以来

英ポンドも下落した。7日の取引では一時1ポンド=1.14ドルちょうどに接近し、サッチャー政権時代の1985年以来の安値となった。英国は2桁台の高いインフレ率に加え、リセッション(景気後退)の長期化見通しという二重の脅威にさらされている。ドルの強さも重しとなった。

ガス不足

エネルギー企業の複数の幹部によると、欧州のガス不足は少なくとも2025年まで続く見通しだ。ロシアの天然ガス供給を失ったことで、今後数カ月に気温が下がれば貯蔵施設のガスは急速に減少するという。独ユニパーのニーク・デンホランダー最高商務責任者(CCO)は「次の冬に欧州の問題は一段と大きくなる恐れがある」と指摘した。

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