東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件で、東京地検特捜部は14日、大会組織委員会理事だった高橋治之容疑者(78)(受託収賄容疑で再逮捕)に約6900万円の賄賂を渡したとして、出版大手「KADOKAWA」会長の角川 歴彦 容疑者(79)を贈賄容疑で逮捕した。KADOKAWA側の逮捕者は元専務らに続き3人目。特捜部は、賄賂提供には角川容疑者の意向が強く働いた可能性があるとみて解明を進める。
東京五輪汚職で「KADOKAWA」の角川歴彦会長を贈賄容疑で逮捕…元理事に計6900万円
発表によると、角川容疑者は同社元専務の芳原 世幸 (64)、元担当室長の 馬庭 教二(63)両容疑者と共謀。大会スポンサーに選定されるよう高橋容疑者に依頼し、便宜を図ってもらった謝礼などとして2019年9月~21年1月、計約6900万円の賄賂を提供した疑い。
特捜部は、高橋容疑者の大手広告会社「電通」時代の後輩でコンサルタント会社社長の深見和政容疑者(73)(受託収賄容疑で逮捕)が代表を務める「コモンズ2」に支払われた計約7600万円を賄賂と認定。うち約700万円は贈賄罪の公訴時効(3年)が経過した。
角川容疑者は今月5日、報道各社の代表取材に応じ、「賄賂を渡したという認識はない」として関与を否定。特捜部は翌6日、芳原容疑者らを贈賄容疑で逮捕し、東京都内のKADOKAWA本社や角川容疑者の自宅を捜索していた。