- FOMC0.75ポイント利上げ、アームとサムスン電子提携で協議へ
- 米中古住宅販売また減少、英中銀QEの変更検討、野村HD幹部人事
3会合連続で0.75ポイント利上げを決めたこと以上に重要なのは、米連邦公開市場委員会(FOMC)参加者の経済予測が変わった点だと、ブルームバーグ・エコノミクス(BE)は指摘しています。今回、メンバーの約3分の2が政策金利のピークについて、市場が織り込んでいた4.5%よりも高い水準となり、来年到達するとみていることが分かりました。また、そうした引き締めが来年の景気後退入りを招くと参加者は認識していることも示唆されたと、BEでは分析しています。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
より積極的な軌道示唆
FOMCは主要政策金利を3会合連続で0.75ポイント引き上げることを決定。今後の利上げについては、従来予想より積極的な軌道を描くことになるとのシグナルを発した。フェデラルファンド金利の誘導目標は3-3.25%となった。これは2008年初め以来の高水準。また、FOMC参加者の四半期予測の中央値によれば、当局者らは政策金利について今年末までに4.4%、23年中に4.6%に上昇すると見込んでいる。次回11月の会合で4回連続となる0.75ポイント利上げが選択肢となり得ることを示唆している。
孫社長、近く韓国で協議
ソフトバンクグループの孫正義社長が近く韓国を訪問し、傘下の英半導体設計会社アームを巡る戦略的提携でサムスン電子と協議することが分かった。同社広報は21日、ブルームバーグの電話取材で、孫氏が3年ぶりに韓国を訪問し「サムスンと、アームとの戦略的提携についてお話ししたい」との孫氏の意向を伝えた。韓国メディアのEデーリーは同日、サムスン電子の李在鎔副会長が記者団に対し、孫氏が10月にソウルを訪問する可能性があり、アームに関する提案を行うかもしれないと語ったと報じていた。
7カ月連続の減少
8月の米中古住宅販売件数は、7カ月連続の減少となった。住宅ローン金利上昇が物件の取得しやすさに影響を及ぼす状況が続いている。販売件数は前月比0.4%減の年率480万戸と、2020年5月以来の低水準。7カ月連続の減少は、07年に米住宅市場が崩壊して以降で最長だ。中古住宅価格は前年同月比7.7%上昇し、38万9500ドル(約5610万円)。上昇率は20年6月以来の小ささだった。
利払い撤廃を検討
英政府がイングランド銀行(英中央銀行)の量的緩和(QE)に変更を加えることを検討していることが分かった。トラス政権は、市中銀行がイングランド銀に預け入れる預金の一部に対する利払いの撤廃を検討。政策金利を2.5%と想定した場合、利払い撤廃による年間の節減効果は100億ポンド(約1兆6300億円)を超える可能性がある。厳しい財政状況の中で、納税者の負担抑制を図る狙い。報道を受け、21日のロンドン市場では英銀株が総じて下落した。
ホールセールから仮想通貨へ
野村ホールディングスのトレーディングおよび投資銀行業務責任者のスティーブン・アシュレー氏がその役割を退き、同社の暗号資産(仮想通貨)事業に転身する。元ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(現ナットウエスト・グループ)の上級トレーダーだったアシュレー氏は2010年に野村に入社。12年にはトレーディング部門全体の統括を任され、その後ホールセール部門責任者に昇進した。奥田健太郎グループCEOは発表資料で、「アシュレー氏にはそのリーダーシップの実績を活かし、先端領域での新会社の成長への貢献を期待している」と表明した。
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