• ポンドと英国債は一時の上げの大半を失った
  • 減税計画、残りの部分変わらず-「市場の信頼は失われた」
A book-shaped copper foil patch containing the letters ‘JA’ sits on the new U.K. 10-pound banknote in this arranged photograph taken at the Bank of England in the City of London, U.K., on Monday, Sept. 11, 2017.  Photographer: Jason Alden/Bloomberg

ポンドの先行きに関するトレーダーの見方はこれまでで最も弱気になっている。英政府は大型減税案の一部を撤回したものの、市場の信頼を回復するにはもっと包括的な政策転換が必要であることを示している。

  クワーテング財務相が3日、所得税の最高税率引き下げ案を撤回すると明らかにした後、ポンドと英国債は一時上昇した後に、上げの大半を失った。オプション市場ではポンド安を見込むポジションが過去最大に膨れ上がった。

ポンド・ドルの1年物リスクリバーサル出所:ブルームバーグ

  投資家にとって問題なのは、エネルギー価格を上限までに抑えるための巨額借り入れや最高税率以外の減税計画がまだ実施されようとしていることだ。最高税率に関する政府のUターンは財政状況を若干改善させるものの、政府の信頼を回復するものではない。政府は与党保守党からの反発と有権者の支持低下に直面している。

  ラボバンクの為替ストラテジスト、ジェーン・フォーリー氏は、最高税率引き下げ撤廃で「政府が現在の激しい批判から救われるとは思わない」とし、ポンド下落は必至で対ドル・パリティー(等価)の可能性も排除できないとの見方を示した。「市場の信頼は失われた」とコメントした。

英首相、最高所得税率の引き下げ撤回-与党反発に屈し政権に打撃

原題:UK Markets Need Bigger Truss U-Turn to Restore Credibility(抜粋)