[ロンドン 18日 ロイター] – ロシア軍によるウクライナでの軍事作戦を指揮するセルゲイ・スロビキン総司令官は18日、ロシア軍が広範な圧力下にあり、困難な決断を迫られていると述べた。この日はまた、ロシアが任命した南部ヘルソン州の責任者が住民の一部避難を宣言した。

スロビキン氏は空軍・宇宙軍の総司令官で、ウクライナ軍事作戦総司令官に今月8日に任命されたばかり。ロシア国営テレビに対し「『特別軍事作戦』を巡る状況は緊迫している。敵は絶えずロシア軍に対する攻撃を試みている」とし、「これはクピャンスク、リマン、ミコライウ・クリヴィーリフ方面に関することだ」と述べた。

クピャンスクとリマンはウクライナ東部、ミコライウとクリヴィーリフの間の地域はウクライナ南部のヘルソン州の北部に当たる。

スロビキン総司令官は「ヘルソン市に関する今後の計画や行動は、軍事、戦術面での状況に依存する。改めて述べるが、現在すでに極めて困難な状況にある」と表明。ウクライナ軍がドニプロ(ドニエプル)川の河口近くにあるヘルソン市に向けて進軍する可能性があることを認めた格好となった。

ロシア軍はヘルソン州で過去数週間に20─30キロメートル後退。スロビキン総司令官の発言が放映された直後、ロシアが任命したヘルソン州の責任者、ウラジーミル・サルド氏は、ドニプロ川の右岸にある4つの集落から住民を「組織的に」避難させると発表した。

サルド氏は「ウクライナ軍は大規模な攻勢をかけるために軍備を整えている」とし、ウクライナ軍がノバカホフカ水力発電所のダムを破壊する恐れがあると警告。「ダムの破壊などで洪水が発生する危険がある」と述べた。