[8日 ロイター] – 米中間選挙は8日、一部の州で投票が締め切られ、開票作業が始まった。共和党が連邦議会の多数派を奪還し、今後2年間にわたりバイデン大統領の多くの政策を阻止する勢力を得られるかどうかが注目される。

与党・民主党は選挙戦で中絶の権利や民主主義の弱体化を争点に掲げてきたが、有権者の間ではインフレ高進や犯罪を巡る懸念に関心が高く、大統領の政党と議会の多数党が異なる「分割政府」となる公算が高まっている。

エジソン・リサーチが有権者を対象に行った出口調査では、インフレと中絶が有権者の最大の関心で、10人中3人がどちらかを挙げた。

中間選挙では上院の35議席と下院の全435議席が争われる。共和党は下院で多数派奪還に必要な5議席を積み増すとみられている。議席が50対50で拮抗している上院では民主党が事実上の多数派だが、ペンシルベニア、ネバダ、ジョージア、アリゾナの激戦州の結果次第で逆転される可能性がある。

投票が行われる中、米国のサイバーセキュリティーを担当する高官は8日、米連邦議会中間選挙期間中に選挙インフラを混乱させる「具体的または信頼できる脅威はない」と述べた。

一方、激戦州のアリゾナ州では、投票開始後に数十台の電子投票集計機が故障する事態が発生し、トランプ前大統領や共和党支持者らは問題発生に乗じて民主党の選挙不正を改めて訴えた。

接戦州の結果判明には、数日または数週間かかる可能性もある。

米選挙プロジェクトのデータによると、4600万人以上の有権者が郵便や投票所で期日前投票を行った。州の選挙管理当局は、これらの投票用紙を全て数えるには時間がかかるとしている。ジョージア州では12月6日に決選投票が行われる見込みで、上院の多数派はそれまで決まらない可能性もある。