米CNNは9日、共和党のトランプ前大統領が中間選挙(8日投票)での共和党の苦戦ぶりに「激怒している」と報じた。共和党は連邦下院の過半数奪還が濃厚だとみられ、党内にはイメージカラーにちなんで「レッドウエーブ(赤い波)」と呼ばれる圧勝劇への期待感があった。しかし、民主党が接戦に持ち込む選挙区が多く、一夜明けた9日朝になっても勝利が確定しない状況に不満を募らせているようだ。
CNNはトランプ氏の顧問の話として「トランプ氏が共和党候補の結果に失望し、誰彼となく怒鳴りつけている」と伝えた。15日に予想される2024年の大統領選への出馬表明に関して、トランプ氏の顧問は「表明を遅らせるのは屈辱的すぎる」と述べたが、「現時点では不確定要素が多すぎる」とも語ったという。
トランプ氏は9日未明、自身のソーシャルメディアで、支援した候補が「174勝9敗だ」と自賛していた。しかし、下院選で「レッドウエーブ」は起きず、トランプ派の候補が競り負けた例もある。
上院選では、中西部オハイオ州や南部ノースカロライナ州でトランプ派が当選したが、激戦区と目された東部ペンシルベニア州では医師のオズ氏が競り負けた。南部ジョージア、西部アリゾナ、ネバダの各州で、民主党の現職とトランプ派の新人が競り合っており、共和党の過半数奪還はトランプ派の戦いぶりにかかっている。【ワシントン秋山信一】