[東京 9日 ロイター] – 西村康稔経済産業相は9日の閣議後会見で、防衛力強化のために必要な財源確保を巡り、与党内で法人税が増税の候補に挙がっていることへの見解を問われ、投資やイノベーションを促して所得向上につなげようとする「このタイミングで増税は慎重になるべき」と述べた。
岸田文雄首相は8日、政府与党政策懇談会で、2027年度までの防衛費の財源について、増税は23年度は実施せず、27年度まで複数年かけて段階的な実施を検討すると明言した。現行と比べ4兆円増える27年度以降の防衛費は、1兆円強を増税で賄う方針。
西村経産相は経済界から旺盛な投資意欲が示されているほか、多くの企業が賃上げについて前向きになっていることなどに触れ「今後5年間は日本経済再生のラストチャンスという思いで取り組まなければいけない」と述べた。「大胆な投資のスイッチを押そうとしている時。水を差すようなことにならないように、増税については慎重にあるべき」とし、バランスの取れた議論が行われることを期待したいと語った。
半導体受託生産最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が熊本県に次ぎ国内で新たな工場の建設を検討しているとの一部報道について、西村経産相は「大歓迎」と述べた。「半導体投資は可能な限り促進していきたい。今後投資計画が具体化していく中で、どのような支援が可能かは考えていきたい」とした。