岸田文雄首相が13日の自民党役員会で、防衛費増額について「責任ある財源を考えるべきであり、今を生きる国民が自らの責任としてしっかりその重みを背負って対応すべきものである」とした発言について、政府高官は14日、記者団に対し、「『国民が自らの責任として』ではなく『我々が自らの責任として』だった」と述べた。

 13日の自民党役員会は冒頭以外は非公開で行われた。首相の発言は終了後、茂木敏充幹事長が記者会見で「国民」との言葉を使って紹介し、各メディアが報道。SNSでは批判が相次いだ。

 政府高官は首相の発言の意図について、「国と国民を分け、国民側に責任を押しつけるような趣旨で受け止められているが、そうした意図は一切ない」と説明。その上で、「(実際に語った)『我々』というのは、『今の私たちの世代で』という趣旨だった」と強調した。党内で増税に反対する声が上がるなか、増税の必要性についての首相の決意を伝える狙いだったという。

 自民党はホームページで公開している13日の会見内容について、首相側の申し入れを受けて「我々」に修正した。

「上から目線」「国民に責任なすりつけるのか」と批判の「岸田首相発言」、自民党が修正<読売新聞オンライン>2022/12/14 22:06

岸田首相
自民党本部

 自民党は14日、党のホームページで、防衛力強化の財源確保に関する13日の党役員会での岸田首相(党総裁)の発言内容を修正した。首相が「今を生きる国民が自らの責任として、重みを背負って対応すべきものだ」と発言したとの内容について、「国民が」の部分を「我々が」に修正した。

岸田首相自民党本部

 党役員会は冒頭以外は報道陣に非公開で行われ、終了後に茂木幹事長が記者会見で首相の発言を紹介した。ネット上では「上から目線だ」「国民に責任をなすりつけるのか」などと批判が相次いでいた。

 首相周辺によると、事前に用意された発言案に13日朝、首相が20か所ほど修正を入れ、「国民が」と記されていた部分を「我々が」に言い換えたという。茂木氏には前日の修正前の発言案が渡されていたという。