[東京 19日 ロイター] – 経団連の十倉雅和会長(住友化学会長)は19日の記者会見で、政府・日銀の共同声明(アコード)改定に関する一部報道について「もともと共同声明には定期的に検証を行うという条項がしっかり入っている。その一環だと思う」と述べた。2%の物価目標の数値など「基本線はあまり変わらないのではないか」との見通しも示した。
政府・日銀が2013年1月に結んだ共同声明には、経済財政諮問会議で、金融政策を含むマクロ経済政策運営、物価安定目標に照らした物価の現状と今後の見通しなどを巡り「定期的に検証を行う」と明記している。十倉氏は経済財政諮問会議のメンバーでもある。
十倉会長は、来春に黒田東彦総裁の任期満了を控え、コストプッシュが中心ではあるものの日本でもインフレが始まろうとしていると言及した。「そういう中で、どういう財政・金融政策がよいのか、政府と日銀がもう一度じっくり話し合うべき問題だ」と語った。
その上で、2%の安定的なインフレは実現していないとし、「引き続き、それを目標とするのは確実なのではないか」と指摘。金融政策のあり方を巡り、現状のように異次元というような金融緩和が続くのかどうかは政府と日銀が話し合うとの見通しを示した。