[東京 8日 ロイター] – 岸田文雄首相は8日のNHK日曜討論で、政府と日銀の関係について次期総裁と引き続き議論していくと述べた。衆院解散については「やるべきことをやりながら適切な時期に国民に判断いただく」との考えを示した。
4月に任期を迎える黒田東彦日銀総裁の後任人事について、黒田氏の路線を継承することが要件になるかとの質問に、岸田首相は「構造的な賃上げを実現する経済成長と、物価の持続的、安定的な維持を政府・日銀が連携して進める必要がある」と指摘。「黒田総裁の任期である4月の時点においてもっともふさわしい人事を考える必要があり、新しい総裁とともに政府と日銀の関係を引き続き議論しないといけない」と話した。
新総裁が金融政策を修正する可能性について「金融政策は先行きの見通しがしっかりないといけない」としたうえで「丁寧な説明、マーケットとの対話を考えながら、状況を考えていく」と説明。「引き続き政府と日銀が連携しながら、それぞれの責任を果たしていきたい」と語った。
13日に予定されている日米首脳会談については「昨年日本は重要な安保3文書を改訂し、具体的な方策も示した。日米同盟の一層の強化や、自由で開かれたインド太平洋を実現するために日米でどのように取り組むかを改めて確認し、緊密な連携を確認する貴重な場になる」とした。
衆院解散については「先送りできない課題に挑戦し続けていきたい。重要な課題が山積しており、具体的な政策を進めていかなければならない」と指摘。「その中で適切なタイミングは時の首相が判断する。まずやるべきことをやりながら適切な時期に国民の判断をいただきたい」と述べた。