[ブラジリア 8日 ロイター] – ブラジルの右派ボルソナロ前大統領の支持者らが8日、首都ブラジリアで議会や大統領府、最高裁判所を襲撃した。

サンパウロ州を訪問中で不在だった左派のルラ大統領は、今月末まで連邦当局がブラジリアの治安に介入すると発表した。

年明けに就任したばかりのルラ氏は記者会見でボルソナロ氏を非難するとともに、「ファシスト」や「狂信者」による混乱を許したとして首都の警備体制の不備を批判。襲撃を行った人を特定して罰すると強調した。

昨年10月の大統領選での敗北を正式に認めていないボルソナロ氏は、ブラジルの電子投票制度では不正が起きやすいなどと誤った主張を展開し、支持者らの間で選挙結果を否定する動きが出ていた。

ルラ氏は、ボルソナロ氏がフロリダ州から「ソーシャルメディアでけしかけている」と主張した。

襲撃から6時間近く沈黙を保っていたボルソナロ氏は、ルラ氏の主張を「否定する」とツイッターに投稿。平和的なデモは民主主義の一部だが、公共の建物に侵入して損害を与えることは「一線を越えている」とも述べた。同氏は先月末、自身の任期が終了する48時間前に米フロリダ州に向かい、今月1日のルラ氏の就任式を欠席していた。

テレビの映像では、デモ隊が最高裁や議会に侵入し、スローガンを叫んだり家具を壊したりする様子が映し出された。地元メディアによると、襲撃には約3000人が加わったとみられる。

グロボニュースは、襲撃が最初に報じられた約3時間後の現地時間午後6時30分ごろ、治安部隊が議会と大統領府、最高裁を奪還したと報じた。

襲撃のニュースを受けて各国首脳から非難の声が上がっている。バイデン米大統領はブラジルの状況は「言語道断」と述べた。ブリンケン米国務長官は、ルラ大統領とブラジルの機関を全面的に支持すると表明した。

米国では2年前にトランプ前大統領の支持者らによる連邦議会襲撃事件が起きている。

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