[東京 11日 ロイター] – 日銀が11日発表した「生活意識に関するアンケート調査」(第92回<2022年12月調査>)によると、1年後の物価が「上がる」と予想する回答者の割合は85.0%となった。前回9月調査の85.7%から減少したが、食料品など生活必需品の値上げが広がる中、物価上昇を予想する人の割合は高止まりしている。一方、日銀への信頼度は2008年9月以来の低さとなった。
1年後の物価予想では、平均値が9.7%上昇、中央値は10.0%上昇。中央値は9月の5.0%上昇の2倍になった。平均値、中央値ともに2006年9月以降で最高。
5年後に「上がる」との予想も9月調査の78.3%から76.7%へ減少した。毎年の変化率予想は平均値が7.5%上昇、中央値が5.0%上昇だった。平均値、中央値とも過去最高。
日銀は2%の物価安定目標の実現には家計や企業のインフレ期待の高まりが重要と位置付けており、同アンケートは家計のインフレ期待の動向を把握する指標のひとつとなっている。調査期間は22年11月4日から12月1日。
暮らし向きDIはマイナス49.3に悪化。「ゆとりがなくなってきた」との回答が53.0%に増えた。ゆとりがなくなってきた理由としては、物価上昇を挙げた人が88.4%に上った。
<日銀を「信頼している」、2008年9月以来の低水準>
調査では日銀の信頼度も聞いた。日銀を「信頼している」との回答は39.5%。同様の設問があった6月調査の45.4%を下回り、2008年9月以来の低水準。反対に「信頼していない」との回答は11.5%で08年9月以来の高水準となった。信頼していない理由としては「日本銀行の活動が物価や金融システムの安定に役立っていると思わないから」が57.6%で最多。
(和田崇彦)