[東京 8日 ロイター] – 内閣府が8日に発表した1月の景気ウオッチャー調査で、景気の現状判断DIは48.5となり、前月から0.2ポイント低下した。3カ月連続で低下したものの、感染症に関する行動制限がない中で人流や売り上げの増加が景況感を下支えしており、景気判断の表現は「持ち直しの動きがみられる」で据え置いた。

現状判断DIの内訳では、家計動向関連DIが0.6ポイント低下した。「久しぶりの行動制限のない年末年始で支出の増加があり、節約志向が高まっている」(東北=スーパー)、「全国旅行支援が継続されているが、記録的寒波など雪の影響を受けキャンセルが多く出ている」(北陸=観光型旅館)といった声が聞かれた。

一方、「感染症の発生前ほどではないが、外国人観光客も徐々に戻り、インバウンド需要も少しずつ伸び始めている」(南関東=百貨店)、「天候に左右されて来客数が増減する感覚がコロナ前に似てきている気がする(北関東=一般レストラン[居酒屋])といったコメントがあった。

企業動向関連DIは0.4ポイント、雇用動向関連DIは0.1ポイントそれぞれ上昇した。企業関連動向では「受注量が増え始めており、人材確保を検討し対応している」(甲信越=食料品製造業)と前向きな声が声があった。一方、原材料の値上がり分を製品価格に転嫁するのは容易ではないとの指摘も引き続き上がっている。

先行き判断DIは前月から2.5ポイント上昇の49.3となった。2カ月連続の上昇。5月に新型コロナウイルスの感染症法上の分類が5類へ引き下げられることに期待する声が多かった。内閣府は先行きについて「価格上昇の影響等を懸念しつつも、持ち直しへの期待がみられる」とした。

先行きも物価高の影響は意識されるものの、「極端な円安の調整は進んでおり、輸入原料のコストが低下することから、利益が確保できるとともに、賃金も上昇すると予想される」(四国=食料品製造業)といった声が聞かれた。

調査期間は1月25日から31日。

(杉山健太郎 編集:青山敦子)