[ニューヨーク 15日 ロイター] – JPモルガンの首席グローバル・マーケット・ストラテジストのマルコ・コラノビッチ氏は15日、米株式市場で短期オプション取引が急増していることについて、2018年に起こった「ボルマゲドン」のようなボラティリティーの急上昇を招きかねないとの見方を示した。
同行のデータによると、取引した日の終わりに満期を迎える「0DTE」と呼ばれる短期オプションの出来高が、想定元本ベースで1日約1兆ドル余りに膨れ上がっている。
コラノビッチ氏はノートで、1日の間に市場が大きく動いた場合、こうしたオプションの売り手が一斉に買い戻しを迫られ、巨大な市場変動を招く恐れがあると指摘。市場の流動性が低下していることも相場への影響を増幅させ、売り買い合わせて300億ドル規模の取引を引き起こすとの試算を示した。
ボルマゲドンは、2018年2月に市場の変動が急速に高まってボラティリティー関連の金融商品市場が混乱し、投資家が数十億ドルの損失を被った出来事。コラノビッチ氏は「歴史は繰り返さないが往々にして韻を踏む」とし、同氏が予想するような事態になればボルマゲドン級のショックが広がると予想した。