【ワシントン時事】2024年の米大統領選に出馬が取り沙汰される南部フロリダ州のデサンティス知事(共和党)が、全国規模の活動を活発化させている。2月に出版した自伝を引っ提げ地方行脚を始めたほか、メディアにも頻繁に登場。立候補すれば現時点でトランプ前大統領の最大のライバルになるとみられ、動向が注目されている。
米共和、「脱トランプ」火ぶた 対抗馬乱立なら返り咲きも―大統領選
「メーク・アメリカ・フロリダ(米国をフロリダ州のようにしよう)」。デサンティス氏は新著で、州統治の「成功」ぶりに自信を示した。
19年に知事に就任し、新型コロナウイルス対策や移民問題でバイデン政権と真っ向対立。ハーバード大院卒の秀才ながら、その武闘派ぶりが保守層の心をつかんだ。76歳のトランプ氏に比べ44歳と若く、目立ったスキャンダルもない。昨年の中間選挙では大差で再選を果たし、人気を確実なものにした。
保守系のFOXテレビが2月の世論調査で共和党支持層に大統領候補にふさわしい人物を尋ねたところ、トランプ氏が43%でトップにつけた一方、デサンティス氏が28%で追随。他候補は1桁にとどまり、現時点では事実上、両氏の一騎打ちの様相だ。
デサンティス氏が大統領への意欲を明言したことはないが、米メディアでは6月ごろに出馬表明するとみる向きが多い。警戒を強めるトランプ氏は、デサンティス氏の名前をもじって「デサンクティモニアス(聖人ぶったやつ)」と蔑称を付け、「彼は高齢者向けの社会保障費を削ろうとしている」などと攻撃。台頭阻止に躍起となっている。
大統領選に向けては、これまでに共和党でトランプ氏、ヘイリー元国連大使、実業家のラマスワミ氏が立候補済み。ペンス前副大統領やポンペオ前国務長官らも出馬検討が伝えられ、指名候補争いの動きが本格化しつつある。