25日、米南部テキサス州ウェーコで演説するトランプ前大統領(AFP時事)
25日、米南部テキサス州ウェーコで演説するトランプ前大統領(AFP時事)

 【ワシントン時事】トランプ前米大統領は25日、南部テキサス州ウェーコで集会を開いた。不倫相手だったポルノ女優への「口止め料」支払いを巡って近く起訴される可能性が報じられる中、演説で「検察のかつてない職権乱用だ」と述べ、司法当局と真っ向から対決する姿勢を示した。

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 トランプ氏は「検察や司法省は、犯罪ではないことで私を捜査している」と主張。自身が高い人気を誇るばかりに「不正捜査」の標的になったと訴えた。「悪魔的な勢力に屈服するか、(2024年大統領選の)11月5日に打ち負かすかだ」と支持者を鼓舞し、政権返り咲きを誓った。

 ウェーコでは1993年4月の武装カルト集団籠城事件で、治安部隊が発火性催涙弾を投じて信者や子供ら80人超が焼死。当局の過剰な実力行使を象徴する地となっているため、トランプ氏が会場に選んだとの臆測も飛び交っている。

 トランプ氏は演説で、大統領選のライバルと目される南部フロリダ州のデサンティス知事への批判も先鋭化させた。2~3月の各種世論調査の平均では、トランプ氏への支持がデサンティス氏を約15ポイント上回るものの、共和党内で存在感を高めるデサンティス氏への焦りもにじんだ。