[ロンドン 31日 ロイター] – 米実業家イーロン・マスク氏らが署名した公開書簡に研究が引用された人工知能(AI)の専門家4人が懸念を表明した。
22日付の書簡は、米マイクロソフトが出資している米新興企業オープンAIの最新言語モデル「GPT-4」と比べて「より強力な」システムの開発を6カ月間停止するように呼びかけた。
書簡は「人間と競合する知能」を持つAIシステムは人類に重大なリスクをもたらすと主張。大学の研究者やオープンAI、ともに米アルファベット傘下のグーグルとディープマインドの現役従業員と元従業員を含めた専門家が手がけた計12の研究を引用した。
書簡を発表した非営利団体「フューチャー・オブ・ライフ・インスティチュート(FLI)」は、主にマスク財団から資金提供を受けている。FLIは人種差別や性差別の偏見が機械にプログラムされるといったAIのより差し迫った懸念よりも、想像上の終末論的シナリオに重きを置いていると非難されている。
研究を引用された1人で、AI関連企業ハギング・フェイスのチーフ・エシカル・サイエンティストのマーガレット・ミッチェル氏は書簡を批判し、何をもって「GPT-4よりも強力」とするのか不明確だとロイターに語った。