[31日 ロイター] – 中国国家インターネット情報弁公室(CAC)は31日、米半導体大手マイクロン・テクノロジーが中国で販売している製品のサイバーセキュリティーについて調査すると表明した。

CACは短い声明の中で、重要な情報インフラのサプライチェーン(供給網)のセキュリティーを保護し、隠れたリスクを阻止し、国家の安全を守ることが狙いだと説明した。マイクロンのどの製品を調査するのかといった他の詳細情報は明らかにしなかった。

マイクロンはロイターに対し、CACの発表を認識しており、「CACと連絡を取り合い、全面的に協力している」と述べた。また、自社製品の安全性と顧客に対するコミットメントを守っているとした。

CACの発表を受けマイクロンの株価は下落し、午後序盤の取引で前日終値比2.9%安の61.25ドル。一時は59.90ドルまで下落した。

米国は、軍事利用が可能な人工知能(AI)などのアプリケーション用半導体を製造するのに利用される恐れがあるとして、半導体製造技術の中国への輸出規制を強化した。マイクロンのライバル、長江存儲科技(YMTC)などの中国半導体大手を規制対象としている。

日本政府は31日、中国が先端半導体を製造できるようになるのを抑えるため、米国と同調した輸出規制強化策を発表した。先端半導体の製造に不可欠な先進的なリソグラフィー装置メーカーを抱えるオランダも3月上旬、輸出規制について発表していた。

ウェドブッシュ・セキュリティーズのアナリスト、マシュー・ブライソン氏は「マイクロンに対する措置は中国の政策が広範に変化していることを示唆しており、中国に対するエクスポージャーが大きい他の米企業にも類似の措置が取られる可能性がある」と述べた。

マイクロンは上海と深センに拠点を持っているほか、西安に半導体パッケージング施設を保有。売上高の約10%を中国で稼ぎ出しているが、今回の措置で中国国内での中国以外の顧客に対する販売が影響を受けるかは現時点で不明。

アナリストによると、中国向けのマイクロン製品の大部分は、中国国内で製造される製品に使用するために非中国企業が購入している。