【ワシントン時事】米各メディアによると、米軍の機密資料とされる複数の文書がSNSに掲載され、米国防総省が調査に乗り出すとともに、米司法省も捜査を開始した。文書にはロシアの侵攻を受けるウクライナ軍の戦闘状況のほか、米国や北大西洋条約機構(NATO)の支援状況などが記されているという。
「赤の広場」ドローン攻撃を 賞金7000万円とウクライナ実業家
7日の米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は、中東、中国などに関する別の米軍の機密文書も大量にSNSで公開されたと伝えた。
文書が本物か捏造(ねつぞう)かははっきりせず、どのような経緯でSNSに掲載されたかも不明。本物だった場合はバイデン米政権の情報管理体制が問われそうだが、ロシアによる情報戦の一環の可能性もある。
ツイッターと通信アプリ「テレグラム」に最近投稿された文書は「極秘」と記され、3月1日時点のウクライナ東部での戦闘状況が地図入りで示されていた。ロシア軍とウクライナ軍の推定死傷者数のほか、米国や同盟国などによるウクライナ軍兵士の訓練状況なども掲載されている。
米NBCニュースは、文書にはロシア軍の死傷者数などが異なるさまざまなバージョンがあり、改ざんされた可能性があると伝えた。ロイター通信によると、米当局者3人は、ロシアか親ロシア勢力が背後にいる可能性が高いと指摘した。
ウクライナのポドリャク大統領府顧問はツイッターに「ロシアの情報機関は、劣勢を挽回する唯一の方法がフォトショップ(画像編集ソフト)と『架空の偽情報流出』となるまでに劣化している」と投稿。ロシアによる捏造だとの見方を示した。
関連情報
▽米軍の機密文書がSNS流出、背後にロシアか=米政府筋<ロイター日本語版>2023年4月9日5:58 午後