[東京 12日 ロイター] – 新規上場のispaceが買い気配となっている。同社は月への物資輸送サービスなど月面開発事業を手掛ける。世界で宇宙ビジネスが活発化する中、国内初の本格的な宇宙ベンチャーの新規上場(IPO)として投資家の関心を集めている。
同社の月探査プロジェクト「HAKUTO―R」ミッション1では4月26日に月面着陸を予定しており、民間企業として世界初となる可能性がある。来年と再来年にはミッション2、3の打ち上げも予定され、注目イベントが続くことから「同社株の人気は持続する可能性がある」(国内証券のストラテジスト)との見方が聞かれる。
一方、市場では「多くの投資家は、目先の業績への期待より将来の夢を買っている」(別の国内証券のアナリスト)との声も出ている。同社の2022年3月期純損益は40億円の赤字で、23年3月期には112億円の赤字、24年3月期には78億円の赤字を、それぞれ見込んでいる。
2023年3月期は、契約締結済みのミッション1、2のペイロード(運搬)サービスの売り上げが前期比で増加すると見込む一方、費用面では、ミッション1の打ち上げに伴う費用計上のほか、ミッション2の開発が本格化することから売上原価、販管費が前期より多額になるという。