[ロンドン 19日 ロイター] – スイス金融大手クレディ・スイスは、経営破綻した英金融会社グリーンシル・キャピタルのファンドに関連した未回収金4億4000万ドルについて、ソフトバンクグループに請求する訴訟の手続きを開始したことが分かった。

問題となっているのは、グリーンシルが関係するサプライチェーンファイナンス(SCF)ファンドにあったクレディ・スイスの顧客資金で、グリーンシルの融資を通じて米新興建設会社カテラに渡った。カテラは2021年に破産申請したが、ソフトバンクグループの出資を受けていた。

2021年に米国の裁判所に持ち込まれた資料によると、クレディ・スイス側はカテラが2020年に行った経営再建でクレディ・スイスの顧客資産が実質的に回収できなくなった事実を、ソフトバンクグループが把握したと主張している。

この文書は今月、英国の裁判所に提出された。

一方ソフトバンクグループは、クレディ・スイスが投資判断をしくじった自らの責任を転嫁しようとしていると非難し、訴えに正当性はないと反論。法廷で真っ向から争う構えだ。