• FRBの上級融資担当者調査、マコネル氏が債務上限問題で冷や水
  • シカゴ連銀総裁、アップル52.5億ドル起債へ、企業利益の軟化指摘
A person types at a backlit keyboard arranged in Danbury, U.K., on Thursday, Jan. 7, 2021. Photographer: Chris Ratcliffe/Bloomberg

サイバーセキュリティー関連は、景気が一段と落ち込んでも企業が支出を減らすことはない分野だとみられてきましたが、そうした見方は軌道修正を迫られるかもしれません。この業界で既に決算発表を行った米テナブル・ホールディングスとクラウドフレアは、いずれも通期の売上高見通しを下方修正。株価は発表後それぞれ20%超下落しました。両社ともに言及したのが経済情勢。クラウドフレアは「販売サイクルがかなり長期化している」と説明しました。サイバー犯罪が多発する中、この分野の予算を削っている企業があるとすれば、気になる兆候ではあります。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

融資基準を厳格化

米連邦準備制度理事会(FRB)が四半期ごとに実施する上級融資担当者調査では、1-3月(第1四半期)に融資基準が厳格化され、商業・産業向け貸し出し需要が軟化したと報告された。中・大規模企業向け融資の条件を引き締めている米銀行の割合は2022年10-12月(第4四半期)の44.8%から46%に上昇。大規模・中規模企業の商業・産業向け貸し出し需要が弱まったと報告した銀行の割合は55.6%に上昇し、世界的な金融危機があった2009年以来の高水準となった。同割合は昨年10-12月には31.3%だった。

「秘密計画」ない

米上院共和党トップのマコネル院内総務は、連邦債務上限問題での与野党膠着(こうちゃく)状態を自身が打開し、バイデン大統領を助けるつもりはないとの姿勢を示した。インタビューで、解決策を探すのはバイデン氏とマッカーシー下院議長の責務だとの考えを大統領には内々に伝えてあると発言。自身のジャケットのポケットに手を伸ばして「ここにちょっとした秘密の計画があると思われているようだ」とし、「ホワイトハウスと議長のチームはお互いに向き合って、この問題を解決しなければならない」と述べた。

「最悪のタイミング」

シカゴ連銀のグールズビー総裁は、米金融当局が銀行セクター混乱の影響を見極めようと努めているが、連邦債務上限を巡る対立が長期化していることでその仕事は一段と難しくなると述べた。ヤフー・ファイナンスとのインタビューで「債務上限に関するこの論争は最悪のタイミングで起こっている」とし、「これにより、経済成長や雇用市場の状況を見通すのが極めて難しくなっている」と発言。議会がその任務を遂行しなくてはならないと話した。

アップルが社債発行

アップルは米国で投資適格級の社債を発行する。事情に詳しい関係者によれば、5本立てで総額52億5000万ドル(約7090億円)。当初予定の約50億ドルから規模を拡大した。最長の年限は30年債で、同年限の米国債利回りに108ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上乗せになるという。上乗せ幅は当初135bp程度と見込まれていた。調達した資金は一般的な事業目的に充当されると関係者は述べた。

企業利益の軟化示唆

米マクロ経済データの軟化は企業利益が今後数カ月に弱まるトレンドを示唆すると、モルガン・スタンレーのストラテジスト、マイケル・ウィルソン氏が指摘した。「われわれが注目している先行マクロデータの多くが最近数週間に悪化しており、最近と同等の強さが今後数カ月続くことは示唆していない」と分析。アナリストらの利益予想引き上げの前提である利益率改善には「懐疑的だ」とし、労働コストが引き続き企業にとって逆風であり、同社の主要なマージン指標は一段の利益率低下とその後数カ月の緩慢な回復を示していると述べた。

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