[オークランド(米カリフォルニア州) 9日 ロイター] – 米IBMは9日、人工知能(AI)とデータを組み合わせた新基盤「watsonx(ワトソンエックス)」を発表した。企業がAIを事業に組み込むことを支援するのが狙い。

IBMのソフトウエア「Watson(ワトソン)」が米テレビのクイズ番組「ジョパディ!」で2人のチャンピオンに勝利し、注目を集めてから12年超がたつ。新興企業オープンAIが開発したAIを活用したチャットボット(自動応答システム)「チャットGPT」の急速な成功によって企業のAI導入が焦点となっており、IBMは新規事業のチャンスをつかもうとしている。

アービンド・クリシュナ最高経営責任者(CEO)は年次会議「Think」に先立ってロイターに対し、大規模な言語AIモデルの実装コストが下がったことは成功の可能性が高まったことを意味すると言及。「何かの価格低下が100倍進む時、それは非常に異なる魅力を提供する」とし、「モデル作成の最初の壁は高いが、一度できれば、モデルを100や1000の異なるタスクに適応させることは非常に簡単で、専門家でなくてもできる」と述べた。

IBMによると、企業は「watsonx」を活用することでAIモデルの訓練と展開、自然言語を使用したコードの自動生成、気候変動モデリングなど目的別のさまざまな大規模言語モデルの利用が可能となる。