[アンカラ 29日 ロイター] – 大統領選挙決選投票から一夜明けた29日のトルコでは、再選を決めたエルドアン大統領派が祝賀ムードに包まれた。一方、野党陣営では、エルドアン氏の独裁色が強まり今後厳しい状況に置かれると、暗たんとしたムードが広がっている。
敗北した野党統一候補クルチダルオール氏は「ここ数年で最も不公平な選挙」だと述べたが、開票結果に異議は唱えなかった。
エルドアン氏は群衆に「勝者はわれわれの民主主義だ」と語りかけ、「今こそ、選挙戦中の対立や葛藤を脇に置き、国家の目標のために団結する時だ」と訴えた。
政府系新聞など親エルドアン派メディアはエルドアン氏の勝利を称賛する記事を掲載し、「民衆の人が勝利。トルコの世紀への扉を開いた」(サバフ紙)、「勝利は再びエルドアン、勝者はトルコ」(ヒュリエット紙)といった見出しが並んだ。
しかし、エルドアン氏を巡っては、型破りな経済政策が原因で何年にもわたる経済の混乱を引き起こしたとの批判が出ている。リラはこの日、対ドルで20.077リラを付け最安値を更新した。
エルドアン氏への権力集中で民主主義が損なわれているとの主張を展開した野党の打撃は大きい。
エルドアン氏は結束を呼びかけたものの、クルチダルオール氏と野党を証拠を示さずテロリストに味方しているとの批判を繰り返した。
グローバルソース・パートナーズの穴、アティラ・ヤシラダ氏は、「野党には非常に厳しい日々が待っている」と述べ、政府がクルド武装組織との関連を指摘する親クルド政党・国民民主主義党(HDP)に対する司法の締め付けがさらに強まると予想した。