[ブラジリア 30日 ロイター] – ブラジルのルラ大統領は30日に首都ブラジリアで開催した南米11カ国の首脳会議で、地域の発展に向けて南米諸国を分断化しているイデオロギー上の対立を克服するよう呼びかけた。ただ反米左翼のマドゥロ大統領が政権を握るベネズエラを巡り、首脳間で意見の違いが浮き彫りになった。
ルラ氏は首脳会議に先立ち、マドゥロ大統領と会談。その後の会見で、ベネズエラに対しては「非常に大きな」偏見が存在し、反民主的で強権的なベネズエラというイメージは、同国に制裁を科して人道上の危機を悪化させている西側諸国が宣伝している「物語」に過ぎないと切り捨てた。
しかしウルグアイのラカジェポー大統領はこれに真っ向から反論し、「ベネズエラで起きた事態を物語だと言うのには驚いた。既にベネズエラとその政府についてのわれわれの考えは知れ渡っている」と指摘。世界の大半がベネズエラで民主主義が充実し、人権が確保され、政治犯がなくなるよう働きかけようとしており、せっかくの明るい兆しを遮るのは最悪だと付け加えた。
またチリのボリッチ大統領も記者団に、ベネズエラの人権侵害問題を「物語」とする見解には同意しないと述べた。