西村康稔経産相は27日のNHK日曜討論で、東京電力福島第1原子力発電所からの放射性物質トリチウムを含む処理水の海洋放出を受けて漁業関係者らが抱える風評被害について、政府として「全力で全責任を持って取り組む」と表明した。

  • 東電には何も隠さず公表してもらう-海洋データ
  • 流通業界などにも風評対策について働き掛け、関係閣僚にも協力を要請
  • 最終的に被害が出た場合は東電が賠償する
  • 中国には即時撤廃を要請している-日本の水産物の輸入を全面停止
  • 中国以外も含め科学的データに基づく対応を求めていく

  環境省は同日、処理水放出に関する海域調査の結果を初めて公表した。25日朝に採取した海水のトリチウム濃度は全11カ所で検出下限値未満で、人や環境への影響がないことを確認したとしている。調査は毎週、実施する予定。

  東電は24日午後から処理水の放出を始めた。処理水放出を受け、中国は原産地が日本の水産物(食用水産動物を含む)の輸入を全面的に停止。香港、マカオはそれぞれ、福島、宮城など10都県産の水産物、生鮮食品などの輸入を禁止した。

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