週明け11日の東京債券市場で、長期金利の代表的な指標となる新発10年物国債の流通利回りが一時、前週末終値比0・050%高い0・700%まで上昇(債券価格は下落)した。0・700%までの上昇は、2014年1月以来、9年8か月ぶりとなる。
市場では、「日本銀行の植田和男総裁が、前週末に読売新聞が報じたインタビューで、マイナス金利解除も選択肢などと従来より踏み込んだ発言をし、市場が反応した。方向としては金利上昇を試していく段階が続く」(SMBC日興証券の奥村任氏)との見方が出ている。
日銀の植田総裁は読売新聞の単独インタビューで、賃金上昇を伴う持続的な物価上昇に確信が持てた段階になれば、大規模な金融緩和策の柱である「マイナス金利政策」の解除を含め「いろいろなオプション(選択肢)がある」と語った。具体的な時期は、現状では「到底決め打ちできる段階ではない」としたうえで、来春の賃上げ動向を含め、「年末までに十分な情報やデータがそろう可能性はゼロではない」とした。