企業間で取引するモノの価格を示す企業物価指数の前年比上昇率は、8月に8カ月連続で前月から鈍化した。

  日本銀行が13日に公表した同月の国内企業物価指数は前年比3.2%上昇となり、前月(3.4%上昇に改定)から伸びが縮小した。市場予想(3.3%上昇)を下回った。昨年12月には過去最高(10.6%上昇)に達していた。

  輸入物価の前年比は円ベースで11.8%低下し、契約通貨ベースでも15.9%低下した。いずれも5カ月連続の低下。マイナス幅は前月から縮小した。ドル・円相場は前月比2.5%のドル高・円安だった。

  輸入物価の下落を中心に国内企業物価はプラス幅を縮小する動きが続いているが、足元では再び原油価格が上昇に転じ、ドル高・円安も進行している。日銀によると、素材など川上の物価は低下に転じている一方、最終財といった川下では、緩やかながらも価格転嫁の動きが続いている。今後、輸入物価の下げ止まりが明確になってくれば、消費者物価のプラス幅縮小も鈍化していく可能性がある。

  企業物価指数は前月比では0.3%上昇。市場予想は0.2%上昇だった。ガソリン補助金の減額を背景に石油・石炭製品(ガソリン、軽油、A重油)が押し上げた。一方、押し下げ要因の大半を電力・都市ガス・水道(事業用電力、都市ガス)の価格下落が占めた。

企業物価は8カ月連続で上昇率縮小

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