- 中国恒大集団が支払い不履行、米国債利回り上昇
- 政府閉鎖の格付けへの影響、シカゴ連銀総裁見解、ECB総裁見通し
不動産開発大手、中国恒大集団の清算リスクを巡る懸念が広がり、ブルームバーグ・インテリジェンスが算出する中国不動産開発銘柄の指数が急落しました。終値で68.32と、旭輝控股が債務支払いを停止した昨年11月1日の安値(64.21)に近づいてきました。その後に中国当局が打ち出した不動産業界の救済策の効果もあり、昨年12月12日には122.73と、2倍近くにまで回復。しかし、その後は下落基調にあり、中国不動産市場の行方が危ぶまれます。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
支払い不履行
中国恒大集団のオンショア部門は、2020年に発行したオンショア債40億元(約815億円)の元利金支払いを履行しなかったことを深圳証券取引所に届け出た。9月25日に元本40元と金利分を支払わなかったという。発行主体はできるだけ早期に債券保有者と解決策に至るべく「積極的に」交渉する意向を示した。恒大の最高経営責任者(CEO)だった夏海鈞氏と最高財務責任者(CFO)だった潘大栄氏が同国当局に拘束された。中国メディアの財新が情報源を明示せずに報じた。
十数年ぶりの高水準
米10年債と30年債の利回りが十数年ぶりの高水準をつけた。米金融当局が政策金利を高い水準で維持するとの観測が背景にある。国債供給の増加も相場の重しになっている。10年債利回りは一時4.546%と、2007年10月以来の高水準。30年債利回りは4.6698%と、11年2月以来の高い水準。外国為替市場では円がドルに対して1ドル=149円目前まで下落し、一時0.4%安の148円96銭と、昨年10月以来の安値を付けた。四半期末の資金移動なども円売りにつながっている。
閉鎖されれば
米政府機関が閉鎖されれば米国の信用格付けにネガティブに反映されるだろうと、ムーディーズ・インベスターズ・サービスが指摘した。同社は米国に最高格付けを付与している唯一の大手格付け会社。「政府の債務返済に影響はなく、短期間の閉鎖では経済が混乱する可能性は低いが、近年われわれが指摘してきた、他のAAA格付け国と比較した米国の制度とガバナンスの弱さが強調されるだろう」と、ウィリアム・フォスター氏らムーディーズのアナリストはリポートで説明した。
ソフトランディングは可能
シカゴ連銀のグールズビー総裁はインフレ抑制で政策金利が引き上げられても、米国がリセッション(景気後退)を回避することは可能だとの考えを示した。CNBCとのインタビューで「私はそれを『黄金の道』と呼んできた。それは可能だと考えるが、多くのリスクがあり、その道は長く曲がりくねっている」と述べた。金利をどこまで引き上げるべきかよりも、どの程度長い期間高水準で維持するかを議論する時期に急速に近づいていると改めて表明した。
長いレース
欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は景気が厳しい中でもインフレ抑制に必要な限り、金利を高水準で維持するとあらためて強調した。欧州議会で、「ECBの将来の決定では、必要な限り主要政策金利を十分に景気抑制的な水準に設定するようにする」と表明。金利据え置きの期間がどれほど長くなり得るか具体的には踏み込まず、「長いレースだ」と述べるにとどめた。大半のエコノミストや投資家は、4%がECBのピーク金利だと見なしている。
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