▽イスラエル、ガザ地上作戦拡大 政府報道官「ハマスは代償払う」<ロイター日本語版>2023年10月28日午前 6:33 GMT+9
[エルサレム 27日 ロイター] – イスラエル軍のハガリ主席報道官は27日、イスラエル空軍と地上軍によるイスラム組織ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザへの作戦を拡大すると表明した。またハマス側はイスラエルの国境付近でイスラエル軍と衝突していると発表した。

ハガリ氏はテレビ放映された記者会見で「過去数時間でガザでの攻撃を強化した」とし、空軍がトンネルやその他のインフラに対し大規模な攻撃を行っていると明らかにした。

「ここ数日間に実施した攻撃に加え、地上部隊が今夜作戦を拡大している」と述べ、ガザへの地上侵攻が始まる可能性があるのではないかという疑問も広がっている。

イスラエルのレゲフ政府報道官も、イスラエルがハマスに対する圧力を強めており、軍事作戦が現在進行中と述べた。

FOXニュースに対し「ハマスの軍事組織とガザの政治構造が解体されるまで、ハマスはわれわれの軍事的打撃を受け続ける。これが終わったときは、ガザは大きく変わるだろう」と語ったほか、MSNBCのインタビューに対し、ハマスは人道に対する犯罪の代償を払うことになると述べた。

イスラエル軍のハガリ報道官はさらに、イスラエル軍はイスラエルの安全を守るためにあらゆる面で準備していると述べ、ガザ市の住民に南に避難するよう呼びかけた。

さらに、イスラエル軍はロイターおよびフランス通信(AFP)に対し、ガザで活動するジャーナリストの安全を保証できないと警告した。ジャーナリスト保護委員会(CPJ)によると、戦争開始以来、ガザのほか、イスラエル、レバノン南部などで少なくとも27人のジャーナリストが死亡している。

また、地元の通信社などによると、ガザではインターネットと携帯電話の接続が遮断されている。

ハマス軍事部門はガザ北東部の町などでイスラエル軍と衝突したと発表した。

こうした中、国連総会は27日、イスラエルとパレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスに対し「人道的休戦」求める決議案を圧倒的多数で採択した。決議案はアラブ諸国が主導。法的拘束力はないが、政治的な重みがあり、ガザへの人道支援供給とパレスチナ市民の保護を要求する。 もっと見る

米ホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は、イスラエルが地上作戦を拡大しているという報道を認識しているとしつつも、コメントは控えた。

同時に、ガザ市民への人道支援物資や燃料、電力を供給するため、ガザにおけるイスラエルの軍事作戦一時停止を支持しているという認識を示したほか、ハマスに拘束されている200人超の人質を救出のために局地的な戦闘の一時停止が必要であれば、米国は支持するとも述べた。

一方で「われわれはイスラエルに越えてはならない一線を引いているわけではない」とし、米国はイスラエルが自国を守る権利を支持していると表明。米国は作戦の目的、ガザでの民間人保護の必要性、イスラエル人の人質の安全な帰還を獲得するための取り組み、ガザに対する地上作戦後を考慮する必要性などについてイスラエルと協議を続けているとした。

米国やアラブ諸国は、民間人の犠牲が増えるほか、紛争拡大につながるおそれがあるとし、イスラエルによるガザ地上侵攻延期を要請している。

ヨルダンのサファディ外相は27日、イスラエルがガザへの地上侵攻を開始すれば、「甚大な人道的大惨事」になると警鐘を鳴らした。

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