2024年は波乱の幕開けとなった。元旦早々、能登半島を襲った最大震度7の地震で多数の死傷者が出た。翌日、羽田空港で日本航空の516便が着陸直後に海上保安庁の航空機と激突、海保機に搭乗していた6人のうち5人が亡くなる惨事。逆にJALに乗っていた乗客・乗員379人が事故直後の18分間に全員脱出した。これはまさに不幸中の幸。BBCは「奇跡」と表現した。BBCの後追いをする形で日本のテレビ局が奇跡の取材をはじめた。毎度のこととはいえ、主体的に判断できないメディアの実態を曝け出した。能登半島地震は1週間たっても被害の全容が明らかになっていない。高齢者の多い地域で起こった地震とはいえ、政府や自衛隊、自治体、関係当局の迅速な救援が進まない実態を見せつけた。被災者は浮かばれない。地震大国日本。政府の指導力がまるでみえない。なぜだろう?
世界的に波乱含みの様相だ。ロシアは元旦からウクライナに、ミサイルやドローンを使った総攻撃を仕掛けている。北朝鮮製と見られるミサイルもウクライナ攻撃に使われた。北朝鮮に頼るロシア。そこまで落ちぶれたのか。ハマスとイスラエルが対峙するガザ地区では、双方の戦闘が一段と激しくなりそうだ。ガザだけではない。イスラエルはヒズボラをターゲットにした攻撃も仕掛けている。イスラエルとパレスチナ。目には目を、歯には歯を、か。悪の連鎖が止まらない。国際社会が望む和平の実現など夢のまた夢。4日には4年前に米国によって殺害されたイランのソレイマニ司令官の追悼式に爆弾攻撃が仕掛けられた。仕掛けたのはアフガニスタンに拠点を置く過激派組織「イスラム国(IS)」だという。イスラエルとパレスチナの対立にISも参戦してきた。国際情勢は不穏な空気に包まれている。
今年はこれに主要国の大統領選挙が絡んでくる。まず注目されるのは13日に実施される台湾総統選挙。いまのところ民進党の頼清徳氏が優勢と見られているが、独立派の同氏の勝利は習近平主席を刺激するだろう。だが中国にも弱みがある。軍の腐敗が明らかになったことだ。ミサイルの燃料に水が入っていたという。軍の粛清は続く。3月17日にはロシアの大統領選挙が控えている。プーチン勝利は間違いない、問題は勝ち方。プーチンとしてはウクライナ戦争で成果をあげたいところ。必然的に攻撃激化に拍車がかかる。そして最大の焦点は11月の米大統領選挙だ。トランプ氏とバイデン氏の対決が予想されるが、現時点ではほぼ互角の情勢。仮にトランプ氏の再選となれば、ウクライナやガザの戦況にも大きな影響がでる。日本の政局も大荒れの予感がする。だが、どうせコップの中の嵐だ。世界の大勢に影響はないだろう。
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