横浜市の機械メーカー「大川原化工機」の社長らが逮捕されたえん罪事件の裁判で、控訴の期限のきょう、国と東京都が一審判決を不服として控訴する方針を固めたことがわかりました。
「大川原化工機」の社長ら3人は生物化学兵器に転用できる噴霧乾燥機を不正に輸出したとして、警視庁公安部に逮捕・起訴されました。
しかし、東京地検は初公判の直前に起訴を取り消し、社長らは「違法な捜査だった」として、国と東京都を相手取りおよそ5億7000万円の損害賠償を求める訴えを起こしました。
東京地裁は先月、警視庁と東京地検の捜査の違法性を認め、合わせておよそ1億6000万円の賠償を命じる判決を言い渡していました。
控訴期限のきょう、国と都は判決を不服として、東京高裁に控訴する方針を固めたことがわかりました。
警視庁は控訴についてきょう午後、コメントする見通しです。
一方、原告の社長らも一審の判決を不服として、東京高裁に控訴する方針であることがわかりました。
捜査の違法性をめぐって、今後、高裁でも審理が行われることになります。