静岡県知事の川勝平太氏が辞任する。同知事が静岡県政にどれだけの貢献をしたのか知らないが、とかく問題の多い同知事の辞任表明をみてホッとした。これで開業の見通しが立たなかったリニア新幹線のメドがたつ。なんとなくそんな気がした。後任が誰になるかわかんらない段階で、そんな気楽な予想をしても仕方がないのだが、次の知事には少なくとも普通の“常識”がある人に就任してもらいたい。それほど非常識な知事だった。ブルーバーグ(B B)は昨日配信した記事で同知事のことを「NIMBY(ニンビー)」と紹介している。ネットには次のような説明があった。「Not In My Backyard(我が家の裏庭には置かないで)」の頭文字を取った言葉。自らの居住地に建設されることに反対する住民や、そのエゴ的態度を表す言葉とある。

B Bは川勝氏を称して「無類のNIMBYだ。あるいはそれ以上かもしれない」と断定している。要するに自分のことしか考えない人のことだ。JR東海が開業を目指すリニア新幹線は、静岡県内を約10キロにわたって通過する。だが、ほとんどがトンネル。おまけに同県内にはリニア駅がない。これに腹を立てたのだろう。川勝氏は県内の水供給や生物多様性に影響が及ぶと難癖をつけて、県内での着工を何年間にもわたって拒んできた。その結果J R東海は2027年の開業という当初の予定を断念、34年以降の開業を目指すと当初の計画を変更した。この決定を待っていたかのように、突然、川勝知事は自ら職を辞すると表明した。辞任の理由は新入職員の歓迎式典で述べた職業差別発言。リニアとは関係ない辞任理由だったが、開業延期を確認した時点でおそらく辞職の腹を固めていたのだろう。NIMBYのあっけない幕切れだった。

少子高齢化はこれからますます顕著になるだろう。そんな時代にリニア新幹線の開業に疑問を感じる人はかなりいる。東海道新幹線に高速道路、空路も含めて東西の輸送手段は年々拡充強化されている。それに加えたリニア新幹線、過剰設備を懸念する人もいるだろう。だが、リニアは「日本の独創性を世界に示すことができるプロジェクトだ」(B B)。英国は昨年、高速鉄道プロジェクトの建設を取りやめている。米国の西海岸で計画されている新幹線プロジェクトは、資金のメドが立たず着工が大幅に遅れている。それだけに時速500キロ超で疾走するリニア新幹線の優位性はこれからますます顕著になる。完成すれば東京ー大阪間が約1時間に短縮される。それだけではない。世界中が注目する観光資源になるだろう。NIMBY去ってリニアの時代が来る。これは次の時代に向けた吉兆だろう。

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