昨日市役から「『定額減税補足給付金』について(ご案内)」と題した通知が届いた。岸田総理肝入りで実施された定額減税に関連した資料だ。サラリーマンなど毎月給与が支給される人達には関係ないかもしれないが、年金生活者はいつ減税が実施されたのかわからない。定額減税は所得税と住民税を払っている人たちを対象に、1人当たり4万円(所得税3万円、住民税1万円)が納税額から差し引かれるというもの。6月支給分の所得から減税される。納税額が無い人は別途「特定給付金」が支給された。年金生活者の場合は6月支給分から定額減税が実施された。ここで問題になるのは納税額が4万円を下回る場合だ。減税額との差し引きがマイナスになってしまう。これを「控除不足」という。この場合は別途「給付金」が支払われる。私の場合は登録口座に7万円を支払いますという通知だ。

定額減税が決まったのは昨年の臨時国会。給付金として「定額減税」分を支払えば、事務手続きも給付時期ももっと早くできたはず。それをせず通常の給与の支払いにあわせて実施することにこだわったのは岸田総理だ。給付方式を選択すればコロナ禍での実施経験が生かされ、事務手続きも簡単かつ円滑に進んだと思うのだが、どういうわけか「減税」の二文字にこだわった。その理由として当時、岸田氏は通常国会の終了に合わせて解散・総選挙を実施する腹づもりであり、有権者にアピールするために「減税」にこだわったのでは、との推測・憶測がまことしやかに流布されていた。本当のところどうなのか知る由もないが、すでにカレンダーは7月になっている。解散・総選挙は行われていない。この実態を総理は今どう思っているのだろうか。市役所の通知をみながどうでもいいことが頭を駆け巡った。

支給日は8月2日。内容に意義のある場合は7月17日までに市役所に書類を返送せよとある。異議はないのだが、6月に減税された1万5150円プラス給付分の7万円を足すと合計8万5150円(夫婦2人分)が国から支給されたことになる。諸物価高騰の折、生活費の補填として大いに助かる。英断した岸田総理にお礼を言いたいと思う。とはいえ、送られてきた書類(A4版4ページ分)を見ながらどのくらいコストがかかったのだろうと、これまた余計な心配をしてしまう。知り合いの労務士はこの事務作業に駆り出され何日か徹夜したという話も聞いた。それやこれや、「うれしさも半分かな、定額減税」といったところだ。それ以上に事務費や支給日を意識しない政策決定のあり方に、改めて違和感を感じた。物価対策としての減税だ。庶民の生活に寄り添うなら「定額減税」ではなく、「給付金」の即断即決の方が支持率の回復につながった気がする。

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