またまた赤旗のスクープだ。裏金疑惑で国民の不信を招いている自民党が、現在実施中の総選挙の公示直後に、非公認とされた裏金議員が支部長を務める党支部に2000万円の現金を送金していたというのだ。森山幹事長はこの事実を認め、「党勢拡大のためだ。議員個人に渡したものではない」と強弁している。なんのための非公認かと問いたくなるが、それ以上に森山幹事長の発言に腹がたつ。個人ではない、政党支部に送った。支部長は裏金疑惑その人ではないか。呆れてものが言えない。これで有権者は納得すると思っているのだろうか。赤旗によると支給日は公示直後とある。石破総理は公示後の公開討論で「政策活動費は今回の選挙では使わない」と断言していた。もはや嘘つきというしかない。筋が通らないことを平気でやる。カネで票を買う金権体質。昔もいまも変わらない。これが自民党なのだろう。
赤旗の記事を引用しよう。「政党助成金は国民の税金が原資です。本紙は、自民党の森山裕幹事長から支部会計責任者あての『支部政党交付金支給通知書』(9日付)を入手。ここには、『衆議院総選挙の公認料及び活動費』として、支部政党交付金を支給しました」とある。非公認の裏金議員に支給した2000万円は、「党勢拡大費」とあり「公認料」の文言は消えている。森山幹事長は、公認料の文言を削れば疑惑は晴れるとでも考えたのだろうか。じゃ、なぜ非公認にしたのか。公認料を外せば、うっ積した有権者の不満はかわせるとでも考えたのだろうか。森山氏は政権与党の大幹事長である。だとすれば一国民として恥ずかしい限りだ。立憲民主党の野田代表は次のように批判する。「どうみても公認料だ。血税が原資になっており、たちが悪い。(非公認の候補に)厳しい措置というのは明らかにうそで、有権者を欺く話だ」と。その通りだ。
それにしてもだ、一連の記事(後追いの主要メディアを含め)には石破総理のコメントが一切ない。どうしてだろう。石破総理は政策活動費の扱いについて二転三転した挙句、「今回の総選挙では使わない」と言明した。党勢拡大なら許されるのか。選挙活動と党勢拡大はどう違うのか。これも虚言・妄言の類だ。言葉が命の政治家としてはあるまじき発言でもある。石破政権は“森破政権”とも揶揄されている。むかしあった“田中曽根内閣”のもじりだ。揶揄とかもじりというよりも、実態は明らかに森山政権だろう。森山氏は厳しい有権者の批判を1人で背負うつもりなのかもしれない。それもおかしな話だ。すべての責任を負えるのは総理・総裁ただ1人である。単独過半数割れ、自公でも過半数割れが喧伝されている総選挙の終盤情勢だ。そんな中での赤旗のスクープ。主要メディアはどうしてスクープできないのか。そんな疑問と同時に、自民党大敗の足音がにわかに強まってきたような気がした。
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